田舎で商売(IT起業)

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朝の情報番組で、被災地(仮設住宅)のお年寄りに提供したシステムがほとんど普及していないというニュースが流れていました。

システムはipadのような携帯端末から見ることができるようになっており、仮説住宅に住む上での便利な情報等も掲載されているようです。

それにしても「普及しない、利用されない」というのはシステム制作者からすれば悲しい事ですよね。

幸い、こういうケースでは、批判の矛先は地方自治体などの行政で、システムを製作した会社はあまり叩かれませんので良いのですが、ここでシステム会社が叩かれたら、たまったもんじゃないでしょうね~。苦笑

システム制作会社は当然システムのプロですから、そのシステムがうまく運用されるかされないかは、依頼者やその環境を見れば予想できます。

だから、このケースでも最初にシステム会社は、行政や自治体にその旨アドバイスしたはずです。

しかし、行政や自治体の場合は、予算が確定したら何が何でも期間内に消化しなければなりませんから、あまり運用後のことまで考えないんですよね・・・。

そして、案の定・・・、ということになったのでしょう。

 

ところで、この被災地という、いわば「田舎」の環境は、今の自分のいる環境と非常によく似ています。

自分の経験から言うと、もう少し田舎の特性というものを頭に入れないと、この手のシステムは普及しないように思います。

 

始めてこのブログを読む方向けに自己紹介しますと、自分は2005年に都内の会社を辞めて千葉で田舎暮らしを始め、それと同時にITで独立開業しました。

田舎で開業ということで、「田舎でうまくやっている」と思われるかもしれませんが、田舎のお客様はごくわずかでして、ほとんどが都内のお客様です。

もちろん独立当初は田舎で頑張っていこうと思っていたのですが、早々にターゲットを都内のお客さんに絞ったという経緯があります。

これは決して田舎のお客さんを排除したとかそういうことではありません。

田舎のお客さんだけをターゲットにしていくには非常にリスクが高いと判断したのです。

見込顧客の絶対数や客単価、そして何より自分の営業能力から総合的に判断しての苦渋の決断です。

 

・・・こういう「起業モノ」のブログを書くと反響が結構大きいので(笑)、もう少し開業当初の事を書きましょう。

開業当初は、辞めた会社の上司から仕事を頂いてまして、これでしばらくは食いつなげるかなと思っておりました。

それに、もしも仕事が途切れたら「都内に常駐開発」に行けばいいかなと考えていました。

実際にITで独立開業するエンジニアは、自分のように自宅で受託開発しているケースよりも、都内の大手企業に常駐して仕事をしている人が圧倒的に多いです。

実際、その方がラクで収入もそこそこ良いですし、仕事が減って収入が途切れる心配もあまりありません。

が、自分の場合は、せっかく田舎暮らしをしたのだし、なるべく田舎だけで完結するように仕事がしたいなあと思っていたのでした。

 

その前に、そもそも、どうして「田舎暮らし」を始めたかという話も少しだけ触れます。

もともと、大学時代から田舎暮らしに漠然と憧れはあったのですが、歳月が流れ、サラリーマンをやるようになって、そして、IT業界にありがちな激務、時にはデスマーチ(苦笑)を経験し、「癒されたい感」がピークに達しました。

その時に、ただただ心身ともに癒されたいのと、木々に囲まれながら生活がしたいなあという安易な「イメージ」から田舎暮らしを決意したのでした!!

森に囲まれた静かな部屋で豆からひいた珈琲を飲みながら・・・、そんなイメージです。

 

って、バカですねー♪

 

なので、世に言う自給自足の生活だとか、エコロジーだとか、ロハスだかロペスだか知りませんが、そんなものクソ喰らえ(笑)でして、非常に単純な「イメージ優先」の動機だったのです。

当初は、田舎から会社に通おうかなと思っていたのですが、思っていたより田舎の環境が気に入ってしまって、通うのも面倒だし独立も夢だったので会社も辞めちゃった、というのが本当のところです。

本当に行き当たりばったりですよね。

我ながら「怖い」です。笑

 

また独立当初は、色んな人と会いまして、良い人もいれば悪い人もいましたが、勉強になることは多かったです。

都内だけに限らず関西方面にも足を延ばしたり、そうこうしているうちに田舎に帰る時間がもったいないくて都内にオフィスを借りて、一時期はそこに住みついてしまったこともありました。笑

なので、ハッキリ言って田舎だけを商圏にしてのIT起業は非常に難しいし、ITに馴染みのない方々にシステムを利用してもらうというのは、それだけで大仕事だなぁ。。。と。

だったら、仕事は都会で、たまに田舎に戻って「田舎暮らし」をするのがベストじゃないか?というのが当時の正直な「思い」でした。

(今はまたちょっと違いますけどね。)

 

さて、話を昔話から戻しましょう。

そういう諸々の事情や経験なども踏まえ、まず最初に声を「大」にして言いたいのは、田舎でITを普及するのは周りの人が思っているより大変だということです。

まず、ネット環境やIT系サービスなどのインフラの整備自体が都会と比べて極端に遅いです。

ここで世の中とのタイムラグが確実に「年」単位で発生します。

あと、人口の構成が圧倒的に若者が少ないので、インフラ整備されても普及率が低いままの状態が何年も何年も続きます。

一般に、ある一定の普及率を超えたところでグンと上昇するのですが、その「グン」がいつまでたっても来ないんです。。。

結果として、「ITは一般的なモノではない」という認識が多くの人の頭の中に定着したままになる、ということなのです。

 

その結果として、例えば、アナログオンリーの田舎の人に「ITのメリット」を話すと、不機嫌になる人もいたりします。

とくに実体のないITのネガティブな面だけに目が行ってしまって、「IT=悪」という印象を持っている人もけっこう多いのです。。

そして「同じ田舎の他社がITで成功している」なんて話をしようものなら田舎だけに嫉妬の嵐が吹き荒れる場合もあります。

なんとかキャッチアップしようと思ってくれれば良いのですが、「自分のやり方(アナログ)を通す!」という人はけっこう多いです。

これは一重に、ITに対する認識が変わってないことの証拠です。

 

「人と人との物理的距離感のある田舎こそITが必要だ!ITを普及しよう!」と思っている人は田舎に存在しないわけではないのですが、圧倒的にその数は少ないです。

自分も以前は地元の「商工会」に入ってまして、「IT推進委員」のようなことを、(委員会に1回参加で5000円だったかな?)報酬を頂いてやっていたことがありますが、正直「ギャラ泥棒」で終わりました。笑

なぜなら、その委員会でITの話は微塵も出ないからで、レジュメの目次にすらIT系の話題はありません。苦笑

この話を同業者に話すと毎回笑い話になりますが、これって、本当のことなのです。(2年ほど前の話ですので、最近は変わったかもしれません。)

ちなみに委員長は毎年変わるのですが、ついにその年の委員長の口から「私はITの事はよくわからないので、今年はITはやりません」という勇ましい発言が飛び出した年に、自分もついにガックリきて委員会を辞めまして、ついでに商工会も辞めました。(苦笑)

まあ、自分の場合は都会から田舎暮らしに憧れてやってきた「よそ者」なのでその場はニヤニヤしてましたが、根っからの地元民だったら「今年は」じゃなくて「今年も」だろー!! とブチ切れているところです。(冗談です。笑)

遠慮してないで言えばいいじゃん、と思うかもしれませんが、自分のような「後から来た者」が偉そうなこと言うには相当の勇気がいります。

下手な事を言って一度嫌われたら、まさに「村八分」になるのではないかというくらい地元の人には団結力があります。

例えて言うなら、田舎の人にとって隣人は「他人」ではなく、「家族」という感覚です。

これはこれで、自分的にはとても良い風習だと思っていて、だからこそ自分もその家族の一員になろうとするのですが、そうすると、あまり和を乱したくなくなるのです。

家長に従いましょう、という感覚になるのです。

 

過去、総選挙の時に商工会の推す候補者のために署名を30人ほど集めて来いという指令が商工会青年部から下されたのを丁重にお断りしたのですが、その時はかなり説教というか、まあ色々言われましたね。。。

署名なんか集めても、違う人に投票するかも知れず、ハッキリ言って時間の無駄ですよね。でも、田舎の人ってこの署名の数を地域ごとに競うんです!!

その時の経験もあって、一人だけみんなと違う意見を主張するとか、反対するとか、極力避けていますし、可能な限り周りに合わせるようにしています。

でも、それで丸く収まるのであれば別にITが普及しなくても、その方が良いですしね。

 

このブログでも書きましたが、ある時に商工会主催で収監直前のホリエモンの後援会が開催された時のことです。

同じく田舎(ウチの地域ではない)の商工会員の方がこういう趣旨の質問をしました。

「地元で頑張っていきたいんですが、田舎で、これから有望なビジネスというとどんなものが思い浮かびますか。」

その時のホリエモンの回答の切り口が

「縮小するマーケットであえて頑張るとしたら…」

でした。(すごい嫌味ですよね。笑)

つまり、生き残ろうと思ったら、商圏を広げないといけないわけですね。

そして、その方法はというと、ITであったり、TPPに代表されるような外国であったりするわけです。

でも、まだ、田舎も大丈夫だと思うんです。

しかし、ある日突然、外圧としてにやってくるように思います。

日本の縮図ですね。

でも、嫌味とかなんでもなく、それがこの国にとっての自然な発展の仕方なのだろうなと最近は思います。

自分も極力、田舎で仕事をしたいので、その意味で田舎の流儀に合わせようとも思ってますしね。

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