デザイン性の高い柔軟かつ強烈な個性?

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3か月ぶりの更新となってしまいました。

実は会社WEB(このサイト)や個人のブログ等を含めて、春になったらWEB関連を一新しようと思っていたのですが、時間がなくそのままになっております。
サイトをリニュしてからブログ更新しようと思ったのですが、さすがに3か月のブランクはまずいので更新したいと思います。

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さて、今日は製品を売るための戦略の話をしたいと思います。
以前(2009年に)「ヨドバシカメラの接客」で書きましたが、

「どうせ買うなら気持ちよく買いたい。」

つまり「接客」も、現代の成熟した消費社会では商品を売るためにはかなり重要な戦略の一つだよね、という話を書きました。
(もちろん、家電だけでなく、いろんな業種に通じると思いますが。)

同じ値段の同じものを買うなら、買うまでの過程、つまり「接客」が気持ち良いお店で購入したいですよね。

前回は飲食業や医療の話もしましたが、今回は製造業やITに特化して、2つの新たな視点で戦略を考えてみたいと思います。

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まず一つ目の視点はデザイン性です。

工業デザインというのでしょうか?日本製の製品全般、あまりデザイン性が高いというイメージが自分にはありません。
主に電化製品が頭にあるからなのかわかりませんが、格好いい!と思って衝動買いしたくなる電化製品は、ほとんど海外製です。

たまに無名に近い国内メーカーがデザイン性の高い製品を出していても、性能の低さや信頼性に欠けたりして購入には至りません。
海外製はそれらを両立していることが多いのです。

この前、TVで大手電器メーカー?PCメーカー?(忘れましたが…)の、重役の方が、「これからはデザイン性も重視しないと売れない」みたいなことを訴えていました。
つまりは、今までは機能さえ要件を満たしていれば良かった(売れた)と言うことですよね。

高度成長が終わり、バブルを迎え、それがはじけてデフレが続いているのは消費活動がひと段落した証拠とも言えます。
今や安くて高機能で高性能は当たり前で、むしろ不要な機能が多くなってしまった感があります。
だったら今のままで十分で、買い換える理由は何もない、そんな時代とも言えます。

そこで新たな視点が、デザイン性です。
一言で言えば、どうせ同じようなものを買うなら、見た目が美しいものがいい、ということです。
そして、そう思う人が増えてきたのです。

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余談ですがITもそうですね。
ウチの専門はWEBシステムなわけですが、最近はUIに凝らないとやっていけない現状があります。
凝ると言ってもそんなに風変りなものを作ると言うわけではないですが、どんなシステムを作るにもデザイナーさんの協力が必須になっています。
エンジニアがどんだけ頑張って高機能・高性能なシステムを作っても、見た目の悪さで信頼性を損ねるというケースが最近は増えてきました。
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話を戻して、デザイン性の高さで思い出すのがアップルの製品です。
自分の持つ昔からのアップルの印象は、「デザイナーやおしゃれな人が好むPCメーカー」でした。

例えば自分の弟は(芸術系の人間なのですが)、やっぱり昔からMacを使ってます。
弟のデスクに変な形のガラスみたいなスピーカーが置いてあった時、「格好つけやがって」などと思ったものです。笑
imacが出た時も「おしゃれ~」な人はWindowsと両方持ってましたね。笑
(持ってるから「おしゃれ」に見えただけかもしれませんが。)

さて、Macやiphone、AppleTVなどなど、アップルからは製品がいろいろ出てますが、やっぱりウケているのはデザイン性とUIの素晴らしさ、気持ちよさではないかと思います。
例えば(mac miniもそうですが)、AppleTVのサイズって絶妙じゃないですか?
ただの四角い箱ですが置いてあるだけでその周辺もなぜか格好よくなってる気がするという。笑

おそらく日本のメーカが作ると、ビデオデッキを小さくしたような見た目に仕上がるでしょう。(ビデオデッキも古い例えだなぁ…)

そこで、ふと思い出したのですが、先日、寝室用のiphone用ドック(ビクター製)が、1年もたたずに壊れたのですが、それを買った理由は普通に性能、つまり「音質」でした。
1万円前後の同価格帯のものと比べて断トツによかったのです。

ところが、デザインは最悪です。
そりゃもう、だっさださのくっさくさで、それを使っている自分を客観的に見ると恥ずかしいとさえ感じます。笑
例えるなら弁当箱サイズの昔のウォークマンを電車で使うくらいの恥ずかしさと気まずさです。(言い過ぎ!笑)

でも音はすごく良かった。
なので、これで、もしもデザインが良ければ、すぐ壊れるリスクを背負ってでも、また同じものを買ったと思います。

やっぱり日本のメーカーはもっとデザインをこだわるべきだと思います。
そうしたらソニーもパナも復活するはず!?

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さてさて、もう一つの視点は、「個性」です。

前述のデザイン性の高さと似てるのですが、必要としているのはロゴを見ないでもそのメーカーの商品だとわかるくらいの強固なアイデンティティです。
機能的な個性も必要ですが、ここでは主に外観の個性です。

あまり個性を強くすると、インテリアや製品の使用状況とのミスマッチが増えて逆に売れなくなるケースもあるかと思いますが、それを回避するのがメーカーの腕の見せ所です。
現に、アップルの製品はパッと見ただけでアップルとわかりますし、どんなインテリアともマッチしますし、どんな利用状況でも制限なく使えます。
環境を選ばない強烈な個性とでもいうのでしょうか、これからの時代に要求されるのではないかと思うのです。

電化製品もそうですが、車もそうですね。
はるか遠くから自分に向かって走ってくる車の「メーカー」を判別できるのは、余程車に詳しい人でない限り、その車のメーカーのロゴが見えた時ではないでしょうか?
ニッサンの一部の車種や、マツダの車は一目でそのメーカーの車とわかるようになってきましたが、日本車全体で見ればまだまだ非常に没個性的状況です。

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これは聞いた話で信憑性は「?」ですが、某大手自動車メーカーのデザインは、いつも同じ人が考えているらしいです。
若手デザイナーが新しい発想を出しても、まったく採用されず、毎回必ず一人のベテランデザイナーのデザインが採用されるらしいです。笑
日本メーカーはエンジニア重視で、その結果、デザイナーの層が薄くなってる象徴のような話だと思いました。
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最近、ちょっとしたきっかけで車に興味を持ち始めたのですが、外国車の多くは前述のように遠くから走ってきても、メーカーの判別ができる車が非常に多いです。
なぜなら外国車メーカーの多くは、そのメーカーで統一されたデザインコンセプトを持っているからです。

逆に言えば、メーカー内のすべての車が同じような形をしていて個性がないように思えるのですが、それは個性がないのではなく、そのメーカーの思想を重視している結果なのです。
また、全ての車種を同じような見た目で作っているので失敗はできないため、結果として、時間をかけて考えられた、洗練された質感の高いデザインに仕上がっているのです。

昔、IT業界の先輩がフランス車(プジョーだったような…)に乗っていましたが、やっぱり「おしゃれ」で、こだわりのある人でした。
当時の自分の中の「括り」ではアップル製品を持っている人と同じ「括り」でしたね。笑

個性という意味でも、やっぱり日本メーカーには頑張ってほしいなと思いますが、単に機能重視&デザイン軽視の問題だけでないような気もします。
日本特有の縦割り組織の弊害もあるのかもしれませんね。

エンジニアとデザイナーは、営業とエンジニアの関係と同じく、利益が相反する事が多々あります。
とはいえ、これからの時代に売れる製品を作るためには、ぜひとも、エンジニア(内)とデザイナー(外)が強固なタッグを組んで「デザイン性の高い」「柔軟かつ強烈な個性」を生み出していってほしいなと思います。

車や家電だけでなくITもそうですけどね。笑

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